making of SINGS/Moonwalk


正直、ジャズってあんまり詳しくない。8曲中4曲はチェット・ベイカーのレコードで知りました。チェットを聴いてると「自分にもできるかな〜」って思うんです。

ジャケットは頭痛薬バファ○ンの箱の一部。雨雲に見えます。頭痛持ちのジョンはこれを気に入ってコレクションしている。

エブリシング・バット・ザ・ガールの1stシングルがナイト&デイ。(写真は「アイドルワイルド」ナイト&デイは入ってません。)

実際に3曲目で逆回転するけど、ロバート・ワイアットの曲はコード進行やメロディがそのままでも裏返しっぽい。ポップスを裏返してワイアット風の不思議な曲を作りたかった。
上のチェットのアルバムをまねしてジョビンの曲を一曲入れた。その後すっかりジョビンファン。次は「アントニオ・カルロス・ジョビン国際空港」という名のイージーリスニングアルバムを思案中。 実はMoonwalkという名の全く別のアルバムを何ヶ月もかけて制作していたが、気分転換に5日で作ったSINGSがいい感じだったので乗り換えた。裏返しをMoonwalkとした。

メイヨ・トンプスンの下手な歌ってはまります。狙っちゃだめだけど、音が外れてても「おっいい感じ」って思えるようになった。

下手といえばマチス。ヘタウマ?だけど単純に壁に飾って眺めたい。そんな音楽が作りたい。

譜面、歌詞はインターネットで入手。便利な時代になりました。しかしMoon & Sandはちょっとマイナーなせいか相当探した。 ドラム・マシーンはプリセット式なんで「サンバ」「タンゴ」って風に選びます。壊れてて、急に早くなったり音が小さくなったりする。 シンセはモノシンセ。単音しか出ません。ジャズでいうサックスやトランペットも単音、そういう楽器はえてして音が太いんです。

ギターはヤマハのクラシックギター。譜面を見て小一時間練習したら早速録音。使用楽器は以上3つ。

Moon & Sandのギター練習してたらコード進行がスティーリー・ダンぽいなって思った。 's wonderfulはこのアルバムで知った。ジョアン・ジルベルト。ポールから長いこと借りっぱなし。 スイート・ロレインといえばナット・キング・コール。  

 

家族団らんの飛び道具として重宝しています。 (嶺川貴子―主婦・ミュージシャン)


生涯で7億円分を体内注入したと言われるチェット・ベイカーが灰になるまで焼き尽くしたジャズという名の甘美なサイケデリック・ミュージック。その焼け野原に種をまき、水をやり、リズム・ボックスとモノ・シンセを加えることでジョンとポールは2008年に奇妙な花を咲かせる。頭痛薬でゆるんだ頭のネジと逆回転する時計の針。グッドタイム、バッドタイム、スロウ・イズ・ザ・ニュー・ファスト。(小野田雄―音楽ライター)


歌 詞 (Lyrics)

 

1秒=百万年
高丘王親航海記
SINGS/Moonwalk

 

ジョンとポール
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