あらすじ

Start:西暦875年。平城帝の第三皇子、高丘親王(67才)は、安展、円覚の二人の僧、とび入りした秋丸少年らと共に広州の港から天竺をめざし旅に出る。

1 儒艮:言葉を覚えるジュゴンの話。舞台は海(広州を出発、南シナ海)船の上。海面に顔を出すコミカルなジュゴン。動物大好き秋丸の特訓で言葉を覚えることになる。

2 蘭房:鳥の下半身を持つ女のいる七つの房室。舞台はカンボジャのさび付いた神殿。七つの房を全て開け親王どっと疲れる。

7 頻伽:びんが。鳳凰などと同じく中国の架空の鳥(顔は人間)。舞台は中国のタイガーマウンテン山頂。鳥になった春丸(秋丸)のお供と共に親王は虎に食われて再び天竺をめざす。

3 獏園:夢を食べる獏(ばく)が飼われている園。盤盤国は熱帯、ジャングルの中の王国。病気に伏せる王女のために、せっせと良い夢を見まくる天才ドリーマー親王。しかし、生まれて初めての悪夢を見る事になる。
6 真珠:舞台は熱い国(海)に戻る。親王を虜にする深海から取り上げられた七色に光る大きな真珠の美しさ。しかしこの真珠のおかげでのちにひどい目に…。 5 鏡湖:波風の立たない静かで大きな湖。広大な中国の風景をそっくりさかさまに映し出す。気温的にはぐっと過ごしやすく親王ホッとひといき。しかし湖に顔を写すと写らない。不吉な伝説に不安が芽生える。 4 蜜人:蜜人とはミイラの意。貴重な薬となるというこの「蜜人」を、灼熱の砂漠で拾う命がけのバイトに挑む親王。船に似た乗り物で空を疾走。


解 説

Start:アルバム・コンセプト。故・澁澤龍彦著「高丘親王航海記」の7つの章にそれぞれ音楽をあてる。

1 儒艮:のんきなギターに誘われて、自転車のベル等おもちゃの楽器がじゅんぐり登場。船上の秋丸とジュゴンの楽しい曲です。キックドラムが花火のよう。裏返った声はジュゴンの声のつもりです。

2 蘭房:ギターの6本の弦が順に倍の速度で上昇下降を繰り返す。不協和音を無限に作り出すコード進行をねらったけど、やってみたらどっかでちゃんと繰り返しになってた。リズムはエドガー・ヴァレーズ風。

7 頻伽:三つのループが違う早さでランダムに重なり合うこの曲。実は三つとも全く同じギター音から出来てる。一つはそのまま。一つはとんでもない量のエコーがかかってる。もう一つはいじりすぎてホワイトノイズの波と化している。プラスチックのように真っ白で軽い骨のイメージ。

3 獏園:録音当時の正月に放送されてた聖徳太子のドラマを無音でながめながら、BGMとしてエレキシタールを琵琶っぽく弾いてたらできた。3つのパートはそれぞれ、親王がジャングルで見る「宵の夢」「真夜中の夢」「明け方の夢」。最後の鳥の羽ばたきはポールのシャツを仰ぐ音です。
6 真珠:なかなか出来なかった真珠。苦労の甲斐あってなかなかの出来。生まれて初めてギター一本で聴かせられる曲ができて嬉しい。がしかし、変則チューニングなので人の家のギターでは弾けない。美しい真珠の七色の輝き。 5 鏡湖:コンパクト・ディレイの最長タイムでギターの単音をゆっくりと重ねていくととても気持ちいい。延々とやってるうち徐々に一つのループになった。できあがったメロディはどことなく中国風。船で横切る、穏やかな湖の鏡の水面。 4 蜜人:ジョンとポール二人っきりの初ライブの為に、ステレオに改造したエレキギターと二台のアンプ、ドラム(ハイハットとスネアのみ)で作った曲がベース。灼熱の砂漠上空を船に似た乗り物で疾走。


1秒=百万年
高丘親王航海記
SINGS/Moonwalk

 

ジョンとポール
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