making of 1秒=百万年


「1秒=百万年」直前、レコードの針飛びのループを集めてました。丸いシールを適当に貼ってはプレイ、、。33rpmだと約1.8秒のループになる。

1秒を32回繰り返すという行為で特許出願を真剣に検討。が、サンプリングが引っかかり断念。CDに「特許出願中」と入れたかった。

2001年に作った曲「Today!」は初の蓄積型作品で「1秒=百万年」の原点。前日までの録音に毎日音を重ねていく。写真は同年の日記帳。

バッハのゴールドベルク変奏曲。2つの同じアリアに挟まれた、たくさんのおんなじような曲。同じindexの2曲で全体を挟むアイデアはここから。

小田島等君にジャケットやってもらうのはずっと夢だった。

アルバム一枚を一色に染め上げたブライアン・イーノのサーズデイ・アフタヌーンは理想型。

エリック・サティのソクラーテとジョン・ケージのチープ・イミテーションのカップリングCD。極端に平坦な音楽。

「書簡から見るサティ」サティの書いた手紙を大量に集めてる。どこを開いてもおもしろい。序文はジョン・ケージ。
2=2

カットアップ、フォールドイン、バロウズの手法は切り口が鋭い感じ。

ライブのためにディスクと同じ模様にペイントしたスペシャル・ギター。 「2秒=2百万年」という続編をながいこといじくってるけど一向に完成しない。

 


『未来が大好き!音楽大好き!』・・・・ミニマム未来派宣言
〜どんな単位でも可能なら、あえて「1秒」がいいのです〜

ゆっくり歩いても、おもいっきり走っても未来には行けません。
いっそのこと未来を羨望することを止めてみたらどうか・・・

試行錯誤を繰り返し欲望の赴くままに音楽をいじり倒してみた。
だけど、どんどんと未来は宇宙のごとく拡張していく。

もんもんと時間を費やしていたある日。
ふと背後のオーラを感じて振り返ると『可愛い女を口説くのに押してばかりではうまくいきますまい』と逆さ顔の仙人がポツリ。
何仙人かわからないけど、素人投稿系でブイブイいわしていた事のある高貴な方だろう。
きんきんに冷えたビールを2・3本飲む余裕さえあれば、そのやり方はすぐに考えつく事だった。

MACに向かって、右手でプラグを挿した。
今までの制作主体の切り貼りを『1秒』主体の方法へ。
音楽を連続する1秒で構成し未来への羨望と創作の技法をミニマムにすると、はるか遠くの未来がわりと近いところに感じる。
その上、1000枚を超える楽曲を非任意性を多分に残して選択し、32回ループさせ音楽とその様式に対する愛情を表現した。
ここではじめて、この作品は未来の音楽を奏でる資格を得たと確信した。

そして、この銀盤が振動に変換され、ヘッドフォンやスピーカーを揺るがし、鼓膜に伝わり、静かで豊かな波動を連続で頭蓋骨に共鳴させると、誰も聴いたことの無い不自由で些細な規則に縛られた、新たな主体の存在と呼びかけを知るでしょう。

『1秒』と(悠久の時を超えると信じて)『百万年』を等価記号で結びつけた、この作品は僕らのミニマム未来派宣言です。

 

1秒=百万年
高丘親王航海記
SINGS/Moonwalk

 

ジョンとポール
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